
本当に大切な事柄については、自分で見て自分で感じて自分の頭で考えて自分で判断すべきです。
他人の判断に頼って、自分で考えることを放棄してはいけません。
同じようなことを、僕はこれまでに何度もこの日記に書いてきました。
例えば、ミシュランガイドという本があり、そこにはフランス人が評価したレストランなどのランク付けされているそうです。
こんな本を僕は手に取ったことも見たこともありませんが、その話を聞いただけでもう「とても信じられない」と感じます。
そもそも、西洋人と日本人の味覚が同じはずがありません。
同じ人でも、夏場と冬場では味の感じ方も違いますし好みも変わります。
体調によっても、人の味覚は全然違います。
味覚というのは、それほどに変化しますし、個人差もとても激しいものです。
ましてや、地域差や洋の東西の違いはさらに激しいものになるでしょう。
アメリカが震源地となった2008年のリーマン・ショックの元凶は、ムーディーズやS&Pなどの格付け会社がいい加減な格付けを行ったことです。
他人が評価したことを鵜呑みにして(利用して)、自分の行動を決めると大変なことになるいい例です。
本当に大切なことなら、実際に自分の目で見て確かめて自分が最終判断を下すべきです。
他人の情報は、自分が判断するための補助的情報程度に考えるのです。
言うなれば、他人の情報は料理の材料や調味料のひとつに過ぎず、どんな材料をどう味付けしてどう調理するかを決める料理人は自分が務めるということです。
レストランで他人が作った料理をただテーブルに座って待っているだけではダメなのです。
僕の会社の上層部にも、重要な判断する際の情報の求め方に手抜きをする人たくさんがいます。
情報の求め方には、下記のようなレベルがあります。
①自分で現場に行き、実際に自分で見てみること。
②自分で見ずに、誰かに見てきてもらって、その報告者に直に会って聞くこと。
③報告者に会わずに、報告書だけを読むこと。
④報告書の文章を読まずに、数字だけを見ること。
⑤実額の数字を見ずに、変化率や構成比などのパーセント数値だけを見ること。
これは、数字の順番に情報の抽象度が高くなり、現実から離れて行きます。
よく「数字は嘘をつかない」という人がいますが「人をだますには数字は最も便利な道具だ」とも言われます。
数字が一人歩きしていたら、まず疑ってかかるのがいいですね。